CROSS研究生滞在報告 奈良女子大学 長濱氏(2022年11月)

2023.04.12

CROSS研究生滞在報告 奈良女子大学 長濱氏
【テーマ:アミノ酸-糖ハイブリッド界面活性剤が形成する会合体の構造解析 】

研究開発部 岩瀬 裕希

2022年11月21日~12月18日の日程で、奈良女子大学 大学院人間文化総合科学研究科 博士前期課程2年の長濱佑美さんが、CROSS研究生として研究活動を行いました。

長濱さんは、これまでアミノ酸と糖類を用いた新しいハイブリッド界面活性剤を合成し、表面張力などの物性測定、また、中性子・X線小角散乱法(SANS・SAXS)による構造解析と多角的に研究を行なってきました。昨年度は、CROSS研究生として、レオロジー測定を中心に活動をしました。今回の活動では、糖の種類を変えて新しい界面活性剤を合成し、J-PARC研究棟に設置されたレオメータを活用したレオロジー測定を昨年度に続き実施し、さらに今年度は、J-PARC MLFでのSANS測定を行ないました。また、J-PARCと同じ敷地にある研究用原子炉JRR-3の見学も行いました。JAEA物質科学センターの熊田氏のご厚意により、炉室についても見学をしました。

最初に、レオロジー測定に関する打ち合わせした上で測定を行いました。昨年度も行ったことからスムーズに行うことができました。また、測定結果について適宜議論を行い、研究活動の後半に予定していたSANSの実験計画についても議論しました。さらに、試料の合成も同時に行いながら進めました。後半のSANSの実験では、コントラスト変調実験や、レオロジーとSANSの同時測定(Rheo-SANS)実験といった中性子の特徴を活かした実験を行いました。

成果報告会の様子

修了書授与式の様子


非常に長い期間の研究活動ですが、昨年に続いて考察しながら真摯に実験に取り組み、大変多くのデータを取得されました。CROSS研究生としての経験が、今後の研究活動に活かされることを願っています。活動期間中、J-PARC研究棟物性測定室での活動にご配慮いただきました高田慎一氏、JRR-3の見学と説明を行っていただいたJAEA物質科学研究センターの熊田高之氏に御礼申し上げます。


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