【開催報告】JRR-3での第12回放射光・中性子の連携利用に向けた合同研修会「粉末回折測定研修会」
産学連携推進室 三田一樹、大内薫

高輝度光科学研究センター(JASRI)とCROSSは、放射光と中性子それぞれの測定技術の特徴を量子ビーム施設における実習を通じて把握し、効果的な連携利用について検討する一助とすることを目的として、施設横断合同研修会、「放射光・中性子の連携利用に向けた合同研修会」を継続的に開催しています。
本研修会は「粉末回折測定による構造解析技術」をテーマに、SPring-8(放射光粉末X線回折)、東北大学金属材料研究所が所掌するJRR-3のHERMES(中性子回折)、およびJ-PARC MLFのBL20「iMATERIA」(中性子回折)の3施設を跨いで実施されるものです。
SPring-8での研修
まず11月5日(水)、SPring-8にて(株)日産アークの伊藤孝憲氏よりX線と中性子の粉末構造解析に関する座学が行われ、あわせてBL19B2の粉末回折計を用いた測定実習が実施されました。
JRR-3での研修
次いで11月13日(金)、研究用原子炉JRR-3(日本原子力研究開発機構内)にて、高効率粉末回折計「HERMES」を使用した中性子粉末回折の研修が行われました。6グループ11名が参加しました。
研修の冒頭では、CROSS産学連携推進室の三田氏よりJ-PARC MLFの概要について、続いてHERMESの装置担当者である東北大学金属材料研究所の藤田全基教授より中性子散乱の原理とHERMESの概要について講義を行いました。


その後の実習では2グループに分かれ、参加者が持参した試料を用いて実際に中性子回折測定を実施しました。測定の待ち時間を活用してJRR-3の炉室やビームラインの見学を行いました。




測定終了後には、東北大学金属材料研究所の池田陽一准教授より、リートベルト解析をはじめとする解析手法について詳細な解説がありました。実習にはJASRIのスタッフも参加し、測定データの解析や解釈の仕方など、参加者と共に非常に活発な意見交換が行われ、充実した研修となりました。

本研修の締めくくりとなるJ-PARC MLFでの研修は、2026年3月10日(火)に実施予定です。iMATERIAを用いた実習を通じ、中性子利用への理解がより一層深まることが期待されます。
今回の研修会が、中性子の新規利用や放射光・中性子の連携利用を検討される、良き契機となれば幸いです。
最後になりますが、今回のJRR-3での研修にあたり、中性子回折の解説や実習指導のみならず、施設紹介から入所手続きに至るまで多大なご協力とご尽力をいただきました東北大学金属材料研究所の藤田教授、池田准教授、谷口助教、高橋特任助教、大河原学技官ならびに藤田研究室の皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。