【開催報告】放射光(SPring-8)と中性子(JRR-3)の両実験施設での測定実習による
「第7回放射光・中性子の連携利用に向けた合同研修会(粉末回折測定研修会)」

2023.02.27

【開催報告】放射光(SPring-8)と中性子(JRR-3)の両実験施設での測定実習による
「第7回放射光・中性子の連携利用に向けた合同研修会(粉末回折測定研修会)」

高輝度光科学研究センター(JASRI)とCROSSは、SPring-8とMLFの横断的な利用促進の一環として、「放射光・中性子の連携利用に向けた合同研修会」を開催しています。

第7回となる今回の合同研修会は、昨年度好評だった「粉末回折」を取り上げました。まず、2022年10月27日(木)にSPring-8で放射光粉末回折に関する座学とBL02B2ラインに設置の粉末回折計を用いた測定実習が行われ、11月17日(金)に中性子粉末回折に関する研修が行われました。

中性子粉末回折の研修は、J-PARC MLFと同じ日本原子力研究開発機構の敷地にある研究用原子炉JRR-3のガイドホールに設置のHERMES回折計を使用して行われました。HERMESは東北大学金属材料研究所(東北大金研)が維持管理や利用支援を行っている中性子粉末回折装置で、4グループ6名の参加者が実習を行いました。

研修会の午前中は、HERMESの装置担当者である東北大金研の藤田全基教授から、中性子散乱の原理とHERMESについて講義がありました。その後、午後から2つのグループに分かれ、参加者各自が持ち込んだ試料を用いて中性子回折測定の実習を行いました。実習中は、JASRIのスタッフも交えて、測定データや、冷凍機や超伝導マグネットを用いた中性子回折測定について議論を行いました。実習以外の時間には、J-PARC MLFやJRR-3の炉室の見学を行いました。さらに、測定実習の後、東北大金研の池田陽一助教からリートベルト解析などの解析方法について詳しい説明がありました。特に、国内外で使われている代表的なリートベルト解析用ソフトウェアについて説明していただき、その後、活発な意見交換が行われました。

* 講 義 *

東北大金研 藤田全基教授による講義

*  A 班 実習 *

JRR-3の中性子三軸型分光器AKANEの説明

HERMESでの試料設置

測定データの解析

MLF見学

* B 班 実習 *

JRR-3見学

MLF見学

中性子三軸型分光器AKANEの説明

測定データの解析

* 講 義 (解析実習) *

東北大金研 池田陽一助教による講義

今回の研修会が、新たな中性子利用ユーザーや中性子・放射光連携利用ユーザーにとって、良い切っ掛けになればと願っております。また、今回の研修会では、東北大金研の藤田全基教授、池田陽一助教、および大河原学技官をはじめ、藤田研究室の皆様に、中性子回折の説明や実習だけでなく、JRR-3の紹介から入所手続きまで、多大なご協力とご尽力を頂きました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

JRR-3前での集合写真

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