【開催報告】J-PARC Workshop2022/Deuterium Science Entering a New Phase

2023.02.20

【開催報告】J-PARC Workshop2022/Deuterium Science Entering a New Phase

茨城県東海村にあるAYA’S LABORATORY量子ビーム研究センターにおいて、『J-PARC Workshop2022/Deuterium Science Entering a New Phase』が1月19日と20日の2日間、現地開催されました。参加者は、国外からの講師を含め55名でした。

集合写真



本ワークショップのテーマである重水素ラベル化法は、中性子散乱法やNMR法などの同位体敏感な研究手法で広く活用される重要技術です。本ワークショップでは、この重水素ラベル化法とその中性子散乱研究への応用に関わる国内外の専門家と最先端の研究技術及び成果について議論することで、J-PARCを始めとした国内の重水素化研究の更なる活性化を図るとともに、学生を始めとした若手研究者の国際交流や研究活動の促進を図ることを目指しました。

今回、国外(ANSTO-NDF及びSanofi Germany)から参加の講師の2件の講演を含む合計12件の講演が行われました。大学、研究機関、企業からの幅広い参加があり、先端研究だけでなく産業界の話題、例えば、重水リサイクルやNMRによる分析等の多岐にわたるテーマでの討論も展開されました。注目すべき点としては、重水及び重水素材料に関する計算科学研究の成果が数多く報告され、その情報交流が活発に行われたことです。今回は、様々な分野の研究者及び技術者が一同に会したことで、重水素科学分野における多面的な情報交流が実現できました。

Tamim Darwish氏 (ANSTO-NDF)の講演の様子

池上貴久氏(横浜市立大学)の講演の様子

堤泰行氏(FC Development)の講演の様子



ポスター発表では、学生を始めとした若手研究者による研究討論が活発に行われました。ポスター発表が、新しいアイデアや解決策を見出すための良い機会となったと思います。ポスター発表には特別賞を設け、学術発表の優秀なポスターに対して「J-PARC Workshopポスター賞」を授与しました。表彰式では、柴山充弘センター長(CROSS)より賞状と景品が授与されました。ポスター賞並びにベストポスター賞を受賞された若手研究者のさらなる活躍を期待するとともに、ポスター発表及び審査にご参加、ご協力頂いた方々に改めて感謝申し上げます。

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子

ポスター賞授賞式の様子。左から順に、佐治木弘尚氏(岐阜薬科大学、重水素材料研究分科会代表)、坂上弘輝氏(横浜市立大学)、上田実咲氏(CROSS)、小竹泰成氏(岐阜薬科大学)、山田強氏(岐阜薬科大学)、柴山充弘氏(CROSS)


今後も研究会やワークショップによる情報交流を継続するとともに、本ワークショップで提案、討論された事項の実現に向けて、重水素科学研究の活動を活性化させる予定です。

*お知らせ*

次回のJ-PARC Workshop2024を2024年10月頃に開催する予定です。詳細については後日ホームページ等でお知らせしますので、奮ってご参加下さい。

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