私は2024年8月26日(月)から30日(金)の5日間、一般財団法人総合科学研究機構(CROSS)中性子科学センターの研究生として、坂口佳史主任研究員ご指導の下、中性子反射率の測定データにおけるデータリダクション並びにフィッティング解析の手法をご教授頂きました。ここに体験記として活動内容を報告します。
現在私は、中性子反射率法によるアモルファス二流化ゲルマニウムへの銀のフォトドーピングの解明に取り組んでいます。フォトドーピングとは、非晶質カルコゲナイドとある種の金属の2層膜に光を照射するとカルコゲナイド中へ金属が異常拡散される現象です。銀のフォトドーピングの過程を、成果公開型一般課題2023A0096(BL17)にて実施した中性子反射率測定により計測してきました。データの解析では、Motofitという世界の諸施設でもよく用いられている解析ソフトを使用しました。今回は中性子反射率測定のデータの取り出し方や中性子反射率測定における解析の手法を学ばせて頂く為に、応募させていただきました。
最初に「データリダクション」について教えていただきました。時間分解された中性子反射率の生データを取り出し、Pythonでプログラミを組み、中性子反射率の変換を行いました。この際、トラブルが生じましたが、解析情報グループの笠井聡さんには大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。
予定では、中性子反射率データの解析で3種類の試料の測定データを処理する予定でしたが、時間が足りず、1つしかフィッティングが終わりませんでした。どうしてもフィッティングがうまく合わない箇所があったのですが、坂口氏から新しい層が形成された可能性について教えていただき、実際に中性子の散乱を助長するような層を仮定したところ、うまくフィッティングを行うことができました。また、前回同様物理的な意味を考えながらフィッティングを行うことができました。研修後、大学に戻り自分でフィッティングを行い、残り2つのデータの解析も行うことができました。今回学んだ内容を基に、さらにフィッティングしたデータをブラッシュアップしたいと考えています。
最後になりましたが、今回の実習を受け入れてくださいました柴山充弘中性子科学センター長、指導していただいた坂口佳史氏、お忙しい中、報告会に参加され貴重な質問ご意見を頂きました皆様方に、深く感謝致します。また、研究室でご指導いただいている渋谷猛久教授(東海大学)、村上佳久博士(元筑波技術大学)にも、CROSSでの貴重な経験の機会を与えていただきまして深く感謝申し上げます。