WEB研究会での利点を生かし新規ユーザー開拓へ
– 第7回パルス中性子イメージング研究会 –

2021.03.30

WEB研究会での利点を生かし新規ユーザー開拓へ
– 第7回パルス中性子イメージング研究会 –

2021年3月1日(月)〜2日(火)の2日間、第7回パルス中性子イメージング研究会を新規ユーザー開拓を目的にオンラインで開催しました。

過去の研究会では参加者数はおおむね40~50名でしたが、今回はオンライン開催ということもあり、123名の事前申し込み、 2日間で延べ218名の参加を頂き、通常開催と変わらないほどの質問と活発な議論がなされ、中性子イメージングに対する参加者の期待と興味の深さを感じました。

初日は、まず施設報告のセッションで、J-PARC、京大複合研、JRR-3の中性子ラジオグラフィ装置の現状について報告を行いました。その後、この3月に名古屋大学を退官される鬼柳善明先生に特別講演を行って頂きました。内容は特に近年精力的に取り組まれている日本刀の研究に関するもので、研究手法については十分な原理実証成果が得られており、今後は年代、生産地などを系統的に調べる必要があるという飽くなき研究意欲を感じさせられるご講演でした。最後に装置グループの開発テーマと螺鈿のユーザー利用成果のセッションを行いました。

2日目は、冒頭でオンライン開催の利点を活かした本研究会としては初めての海外ユーザーによる講演を試み、オーストラリアニューカッスル大学のChristopher Wensrich教授に螺鈿で実施したひずみのトモグラフィ測定についてご講演を行って頂きました。歪みのトモグラフィ計算アルゴリズムの説明の後、回折実験の測定結果と概ね良い一致を示す結果が紹介されました。歪みの3次元可視化に向けた有意義な成果でした。

最後に螺鈿ユーザー利用セッションを行いました。螺鈿が提供するラジオグラフィ法、ブラッグエッジイメージング法、共鳴吸収イメージング法、偏極イメージング法とそれらの研究例をそれぞれの手法について発表して頂きました。螺鈿の特徴の一つである汎用性についても多くの参加者に紹介することができました。今後の新規ユーザーの獲得に繋がることを期待します。

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