概要
スピントロニクスデバイス、トポロジカル磁性体、磁性超伝導体など近年注目される物質群において、ナノメートルからマイクロメートルに及ぶ「メゾスコピック領域」の磁気構造が、巨視的な物性や新機能の発現に本質的な役割を担うことが明らかになってきた。磁気スキルミオンに代表される非共線的スピン配列や、多層膜・界面における特異なスピン状態など、複雑なメゾスコピック磁性の精密な理解は、現代の物性物理学・材料科学における喫緊の課題である。
これらの磁気構造を解析・可視化する上で、「偏極中性子反射率(PNR)」及び「偏極中性子小角散乱(SANS)」は極めて強力かつ不可欠なプローブである。本ワークショップでは、メゾスコピック磁性分野におけるユーザー利用のさらなる拡大とコミュニティの活性化を目的として、装置利用・装置開発・高度化の最前線、放射光X線との相補利用、さらには次世代を担う若手研究者による研究発表など、多角的なセッションを企画している。皆様の積極的なご参加を心よりお待ち申し上げております。
会場
AYA’S LABORATORY量子ビーム研究センター(AQBRC)(茨城県那珂郡東海村白方162-1)
1階大会議室(B101) ハイブリッド開催
プログラム
2026年10月7日(水)
| プログラム(敬称略) | ||
|---|---|---|
| 13:00~13:15 (15分) | 受付 | |
| 13:15~13:25 (10分) | 開会挨拶 | 花島隆泰 (CROSS) |
| セッション1 装置紹介 | 座長:花島隆泰 (CROSS) | |
| 13:25~13:40 (15分) | 偏極中性子反射率計 BL17「写楽」の紹介 | 阿久津和宏(CROSS) |
| J-PARC MLFのBL17に設置されている偏極中性子反射率計「写楽」 |
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| 13:40~13:55 (15分) | J-PARC BL15「大観」における偏極中性子小角散乱の現状 | 大石一城(CROSS) |
| 本発表では、J-PARC MLFの小角・広角中性子散乱装置BL15「大観」 |
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| 13:55~14:10 (15分) |
偏極中性子散乱装置 POLANO | 横尾哲也(KEK) |
| Although the polarized neutron technique has been developed and used for many years, the application of the time-of-flight (TOF) method has only been realized in recent years. In the light of recent discoveries in material science, many of the observed complex phenomena are largely due to the entangled physical degrees of freedom of spins, charges, orbitals, and even lattice vibration. In neutron scattering experiments, a unique, effective, and direct way to observe these properties separately via the polarization analysis. The POLANO enables polarization analysis of inelastic scattering experiments to investigate the dynamical properties of the above mentioned multiple degrees of freedom. | ||
| 14:10~14:25 (15分) | 放射光を用いた界面磁気計測とその応用 | 鈴木真粧子(東北大学) |
| TBA | ||
| セッション2 PNR利用 | 座長:阿久津和宏 (CROSS) | |
| 14:25~14:55 (30分) |
磁気スキルミオン膜のスピン軌道トルクによる高効率輸送 | 湯浅裕美(九州大学) |
| 次世代情報キャリアとして期待され |
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| 14:55~15:25 (30分) | Zak位相由来の強磁性トポロジカル表面と偏 |
金澤直也(東京大学) |
| 電気分極理論の中心概念であるZak位相は、トポロジカル絶縁体 |
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| 15:25~15:55 (30分) | 量子ビーム相補利用で視るナノ傾斜Ru: |
神永健一(東北大学) |
| 界面・薄膜・人工構造における磁性は、 |
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| 15:55~16:10 (15分) | 情報交換会(コーヒーブレーク) | |
| セッション3 学生セッション | 座長:青木裕之 (JAEA) | |
| 16:10~16:25 (15分) | Ru濃度傾斜LSMO薄膜における異常ホール |
安孫子優登(東北大学) |
| 異常ホール効果は、 |
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| 16:25~16:40 (15分) | 交互磁性体MnTeとトポロジカル絶縁体Sb2Te3の界面にお |
岡村宗汰郎(筑波大学) |
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交互磁性体とトポロジカル絶縁体間に生じる近接効果を検証するた
偏極中性子反射率測定の結果、2 Kにおいて界面近傍約1 nmの領域に磁化が生じている可能性が示され、この変化は300 Kで消失した。
また、低温で8の字型の異常ホール効果が観測され、
以上の結果は、
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| セッション4 意見交換 | 座長:青木裕之 (JAEA) | |
| 16:40~17:10 | 意見交換 | 花島隆泰 (CROSS) |
| 17:10~ | 集合写真等 | |
| 18:30~ | 懇親会 | |
2026年10月8日(木)
| プログラム(敬称略) | ||
|---|---|---|
| セッション5 若手セッション | 座長:廣井孝介 (JAEA) | |
| 8:45~9:05 (20分) | ORNLでの偏極中性子回折実験装置開発 | 梅本好日古(ORNL) |
| ラーモア回折法は, ORNL中性子光学/偏極グループでは, |
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| 9:05~9:25 (20分) | 小型in-situ 3Heスピンフィルターの開発 | 髙橋慎吾(東京大学) |
| 中性子偏極デバイスの一つの3He 中性子スピンフィルターは幅広いエネルギーの中性子偏極を可能と 我々は偏極パルス中性子の利用拡大を図るために、J-PARCの 本発表では当該装置の性能と利用例、今後の展望について報告する |
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| 9:25~9:45 (20分) | 量子ビームによるダイヤモンド型金属磁性体の磁気構造研究 | 川又雅広(東北大学) |
| 磁性イオンがダイヤモンド構造を形成する系では、 |
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| 9:45~9:55 (10分) | 情報交換会(コーヒーブレーク) | |
| セッション6 SANS利用 | 座長:大石一城 (CROSS) | |
| 9:55~10:25 (30分) | ロングパルス磁場中パルス中性子偏極解析手法の開発と応用 | 中島多朗(東京大学) |
| 偏極中性子散乱は物質の磁気構造の対称性を決定することができる |
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| 10:25~10:55 (30分) | らせん磁性金属のスピントロニクス:磁気キラ |
増田英俊(東北大学) |
| らせん磁気構造は局在スピンがらせんを描いて秩序化した構造であ |
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| 10:55~11:25 (30分) | MLFにおけるパルス中性子スピンエコー小角散乱装置 |
廣井孝介(JAEA) |
| スピンエコー小角散乱法(SE-SANS法)は、試料で起こる極 |
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| セッション7 学生セッション | 座長:廣井孝介 (JAEA) | |
| 11:25~11:40 (15分) | 偏極中性子を用いた磁気散乱ホログラフィー | 伊川大樹(茨城大学) |
| 通常、磁性合金は仮想原子が歪みのない格子を組むモデルで理解さ |
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| 11:40~11:55 (15分) | FeB型硼化物の超伝導 | 日野豊(電気通信大学) |
| 軽元素化合物は高いフォノン振動数と電子格子相互作用の観点から、高い超伝導転移温度(Tc)の実現が期待されている。本研究では、FeB型構造をとることが報告されているが、その超伝導特性については未解明のTB化合物(T:遷移金属、B:ホウ素)、(W, Ru)Bに着目し、新規超伝導体として(W0.22Ru0.23)B0.55(Tc = 2.2 K)を発見した。本物質はパウリ限界に近い、高い上部臨界磁場(Hc2)を持つことが確認された。よって、中性子小角散乱を用いることによる磁束格子の状態の解明が期待される。 | ||
| 11:55~12:55 (60分) | ランチタイム | |
| セッション8 新奇磁性の最前線 | 座長:伊賀文俊 (CROSS) | |
| 12:55~13:25 (30分) | 中性子散乱の相補利用でみるEuPtSiの磁 |
金子耕士(JAEA) |
| MnSiと同じ空間群に属するEuPtSiでは、d電子系と比べ |
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| 13:25~13:55 (30分) |
中性子と放射光X線で見出すカイラリティと拡張多極子 | 岩佐和晃(茨城大学) |
| 物質の時空対称性の破れはトポロジカル物性、磁気テクスチャ、交 |
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| 13:55~14:25 (30分) | 共鳴非弾性X線散乱で見る強相関電子系物質の電子励起 | 石井賢司(量子科学技術研究開発機構) |
| 共鳴非弾性X線散乱は様々な励起状態を元素選択、 |
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| 14:25~14:35 (30分) | まとめ | 川北至信(CROSS) |
| 14:35~16:05 (90分) | MLF見学ツアー 以下のBLを見学します ・BL15 TAIKAN( 中性子小角・広角散乱装置 ) ・BL17 SHARAKU(偏極中性子反射率計) |
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参加費
無料
本研究会へのご参加は無料ですが、現地にて開催する情報交換会(
(※オンライン参加の方は不要です)
参加申込
参加登録フォームよりお申込みください。
申込締切
オンライン参加 2026年10月5日(月)
懇親会
日時:10/7(水) 18:30より
MLF見学ツアー
10/8(木) 14:25-16:05
以下のBLを見学します
・BL15 TAIKAN( 中性子小角・広角散乱装置 )
・BL17 SHARAKU(偏極中性子反射率計)
参加申込の際に合わせてお申し込みください(外国籍の方は9/7(月)を申込締切とさせていただきます)。
参加時の注意事項
・スクリーンショット、録画及び録音はご遠慮下さい。
・広報活動のため、当日の写真(会場スクリーンや参加者の姿が写っているものを含みます)をホームページ等に使用させていただく場合がございます。あらかじめご了承下さい。
問い合わせ先
CROSS利用推進部(suishin-event[at]cross.or.jp)
*[at]を@に置き換えてください
主催
一般財団法人 総合科学研究機構(CROSS)
共催(予定)
J-PARCセンター(JAEA・KEK)
協賛(予定)
J-PARC MLF利用者懇談会
日本中性子科学会
中性子産業利用推進協議会
茨城大学
