概要
近年、実生活で活用されるデバイス/材料の特性や機能の発現・付与において、原子・分子スケールやナノメートルスケールよりも大きな空間スケールの構造が注目されています。たとえば、材料中の組織構造や不均一性、高次構造やその複合的な構造のように、幅広い空間スケールに亘る構造が連携することで機能が発現、もしくは逆にそのような構造の形成によって機能が消失することがあります。このような数µmから数10µmにおよぶ空間スケールの構造(ミクロ構造)によって顕在化する機能の発現メカニズムや挙動を理解するためには、µmスケールの領域にフォーカスした構造評価・解析が不可欠です。特に、現在の社会的課題であるグリーントランスフォーメーション(GX)、カーボンニュートラルの実現において重要な水素やリチウムといった軽元素が関連する現象の理解には、中性子による解析が期待されています。そこで、J-PARCでは、パルス中性子を用いた高分解能中性子イメージングと小角散乱・極小角散乱に基づくマイクロメートルスケール物質科学の新しい展開を目的として、これらの実験を実施するための新しいビームラインを物質・生命科学実験施設のBL13に建設する計画を進めております。
本研究会では、この新設ビームラインの概要と実用化する実験技術を紹介するとともに、新設ビームラインにおいて実施するサイエンスの候補として、高分解能中性子イメージングと中性子超小角散乱を活用した研究、そしてGX、カーボンニュートラルに関連して、蓄電池分野と燃料電池・水電解技術の研究開発からの要請についてご講演いただきます。そして、総合討論では、新設ビームラインの実現に向けて、期待する装置性能や展開するサイエンスについて議論いたします。
ご興味を持たれた皆様の積極的なご参加を心よりお待ちしております。
会場
秋葉原 UDXカンファレンス Room D
(東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 6F)
https://udx-akibaspace.jp/conference#access
プログラム
| プログラム(敬称略) | ||
|---|---|---|
| 9:30~9:35 | 開会挨拶 | 大友季哉(KEK) |
| 9:35~9:55 | MLFの現状と将来計画 | 大友季哉(KEK) |
| 新設ビームラインの紹介 | ||
| 9:55~10:10 | 装置概要の説明 | 篠原武尚(JAEA) |
| 10:10~10:20 | イメージング性能 | 篠原武尚(JAEA) |
| 10:20~10:45 | 小角散乱/SE-SANS性能 | 廣井孝介(JAEA) |
| 10:45~11:00 | 休憩 | |
| 新設ビームラインでのサイエンス(高分解能イメージング) | ||
| 11:00~11:30 | 放射光CT+中性子CTを用いた地球外物質中の水分布の高分解能3次元可視化、手法開発と将来展望 | 上椙真之(JASRI) |
| 11:30~12:00 | 斜面防災のための土中の水の浸透・透水挙動の可視化 | 大河原正文(岩手大) |
| 12:00~12:30 | 着霜・除霜のメカニズムの解明 ~エアコン・冷蔵庫・冷凍庫の省エネを目指して~ | 松本亮介(関西大) |
| 12:30~13:45 | 休憩(昼食) | |
| 新設ビームラインでのサイエンス(小角散乱) | ||
| 13:45~14:15 | 超小角散乱法による高分子材料のサブミクロンスケールの構造解析 | 竹中幹人(京大) |
| 14:15~14:45 | 超小角・極小角散乱への期待〜金属と食品の立場から〜 | 大沼正人(北大) |
| 14:45~15:15 | JRR-3 PNO装置の現状と陶器・食品への応用 | 杉田 剛(JAEA) |
| 15:14~15:30 | 休憩 | |
| 新設ビームラインでのサイエンス(GX・カーボンニュートラル関係) | ||
| 15:30~16:00 | イオン液体電解液を用いたリチウム金属二次電池におけるリチウム負極の析出形態 | 片山 靖(慶應大) |
| 16:00~16:30 | 燃料電池・水電解応用 | TBD |
| 全体討論 | ||
| 16:30~17:25 | 新設ビームラインへの期待・装置性能への助言・サイエンスの展開 | |
| 17:25〜17:30 | 閉会挨拶 | 川北至信(JAEA) |
参加費
無料(参加をご希望の方は事前登録をお願いします。)
参加申込
参加を希望される方は、
(1)お名前、(2)ご所属・ご職位、(3)連絡先(電話番号・E-mail address)をご記入の上、
以下の問い合わせ先までメールにてお申込みください。
受付締切: 2025年9月25日(木)
問い合わせ先
篠原武尚(takenao.shinohara[at]j-parc.jp)、廣井孝介(kosuke.hiroi[at]j-parc.jp)
*[at]を@に置き換えてください
主催
J-PARCセンター
共催
(一財)総合科学研究機構(CROSS)
