藻類由来の培地における重水素化タンパク質発現方法の開発

2018.10.26

藻類由来の培地における重水素化タンパク質発現方法の開発

Katarina Koruza
Katarina Koruza

スウェーデン ルンド大学博士課程のKatarina Koruzaさんが、日本学術振興会(JSPS)の短期留学生として9月17日に来所しました。彼女は、Lund Protein Production Platform(LP3)とEuropean Spallation Source (ESS) のライフサイエンスやソフトマターの研究者を支援するDeuteration and Macromolecular Crystallisation(DEMAX)プラットフォームに参加しており、生体高分子やタンパク質の重水素化に取り組んでいます。

最近は、藻類抽出物を用いた低コストおよび高収率のタンパク質重水素化法の開発に焦点を合わせており、留学中はヒトのガンに関係していると言われている“carbonic anhydrase IX”の重水素化と中性子結晶構造解析のための結晶育成を中心とした活動を展開する予定です。

今回の留学中の研究は主に総合科学研究機構(CROSS)と量子科学技術研究開発機構(QST)がサポートしています。重水素化藻類抽出物の作製及び化学的分析は非常に興味深い研究対象であり、J-PARCとDEMAX研究所の間でこの専門知識と技術を共有することで、J-PARCにおける生物重水素化活動の活性化や将来的なDEMAX研究室との連携強化に繋がることを期待しています。