2023.11.28
【開催報告】4th International Society for Sample Environment Training School
(ISSE Training School 2023)
坂口佳史、富永大輝、石角元志、有馬寛(以上CROSS)、河村聖子(J-PARCセンター、JAEA)
共催:
J-PARCセンター
京都大学複合原子力科学研究所
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所
高輝度光科学研究センター
総合科学研究機構
東京大学物性研究所
東北大学金属材料研究所中性子物質材料研究センター
日本原子力研究開発機構物質科学研究センター
2023年10月22日~26日に4th International Society for Sample Environment Training School ( ISSE Training School 2023)がAYA’S LABORATORY 量子ビームセンター、J-PARC、JRR-3において上記機関により共同で開催されました。
ISSEは、世界の中性子や放射光施設において低温、高温、高圧、強磁場といった試料環境を実現するための機器を開発、整備する研究者、技術者が集う国際学会です。ISSEでは試料環境技術についての情報交換がなされ、国際的な開発、整備活動、国際交流も盛んに行われています。ISSEが行う2大イベントは国際研究会(ISSE ワークショップ)と国際スクール(ISSEスクール)となり、隔年で交互に開催されています。スクールの目的は、主に初心者レベルの技術者の技術向上を図ることです。2022年にはJ-PARCがホストとなり、那須のラフォーレ那須でISSEワークショップが開催されました。今回のISSEスクールは、昨年のワークショップに引き続き、J-PARCがホストとなって行われました。前回スクールは2019年にベルリンで行われましたが、コロナパンデミックの影響により、今回のスクールは実に4年振りの開催となりました。
スクールでは、午前に講義(18コマ)、午後に実習(5種類)・見学(J-PARC MLF、JRR-3)が行われました。講義では、中性子や放射光施設で用いられる試料環境機器の開発に必要な基礎や技術について説明されました。実習では、参加者に実際に実物に触れ、手を動かしながら試料環境機器を扱う体験をしていただきました。J-PARC MLF、JRR-3の見学では、独自開発された試料環境機器が多数紹介されました。
スクール生徒は世界各地から18名集まりました。講師は、J-PARC MLF、JRR-3スタッフ13名の他、海外から3名(現地参加2名、オンライン参加1名)、国内から3名(現地参加者2名、オンライン参加者2名)にて執り行われました。スクール生徒の多くは技術者でした。講義後の質疑応答、コーヒーブレイク、食事の時間では、活発に議論が行われていました。今回のスクールでは国籍や年齢を越えて参加者同士の仲がとてもよく、いつ見ても会話が弾んでおり、何か“熱気”のようなものすら感じました。また、海外に出ることが初めての方や初来日の方が多くいらっしゃり、それだけに、スクールへの参加を大いに楽しまれ良き経験となったのではないかと感じました。
JAEA、CROSSスタッフからなる実行委員9名※にとっても、今回のスクールは海外施設の現場で活動する技術者と実際に談義することで、多くのことを学んだ貴重な機会となりました。今後、さらに国際交流を深め、MLF試料環境の充実を図りたいと思います。
※実行委員:
実行委員長:河村 聖子(J-PARCセンター、JAEA)
奥 隆之(J-PARCセンター、JAEA)
渡辺 真朗(J-PARCセンター、JAEA)
小峰 良太(J-PARCセンター、JAEA)
金子 耕士(JAEA物質科学研究センター)
富永 大輝(CROSS)
石角 元志(CROSS)
有馬 寛(CROSS)
坂口 佳史(CROSS)