Workshop: CROSSroads of Users and J-PARC  第4回「J-PARCにおける薄膜・界面科学の展開」開催

2013.01.17

Workshop: CROSSroads of Users and J-PARC
第4回「J-PARCにおける薄膜・界面科学の展開」開催報告

2013年1月10日に研究社英語センター(東京)に於いてCROSS東海のワークショップシリーズ “CROSSroads of Users and J-PARC” を開催し、約40名の出席者がありました。第4回目となる今回は「J-PARCにおける薄膜・界面科学の展開」と題し、J-PARC物質・生命科学実験施設に設置されているビームライン17番「写楽」(以下 BL17)を用いた研究を主体に議論が交わされました。

まずワークショップの世話人である佐藤正俊(CROSS)から、CROSSの任務として中性子を用いた実験・研究は大変有意義であるということを実証する必要がある。そのためにはたくさんの研究者が交流し、知見を広げていくことが大事である。CROSSroadsをその交流の場として活用していただきたいとの開会の挨拶が行われました。

講演は最初に山崎大氏(J-PARC/JAEA)からJ-PARCとBL17の紹介が行われ、その後、小嶋健児氏(J-PARC/KEK)によるJ-PARCのミュオン装置を用いた薄膜研究の紹介、山田悟史氏(J-PARC/KEK)によるBL16を用いた面内構造の測定の紹介が行われました。今回のワークショップではBL17以外の装置の研究者にもご講演いただき、BL17との違いや特徴、あるいは中性子を用いた実験との違いや特性などを紹介することで、より研究に適した装置・線源を利用者に選択していただけるよう情報発信を行いました。

会場の様子

午後からは強磁性関連の研究として、千葉大地氏(京都大学)、角田匡清氏(東北大学)、酒巻真粧子氏(KEK)にご講演をいただき、またその他の利用研究として、奥田浩司氏(京都大学)、P. Fons氏(産業技術総合研究所)、井上倫太郎氏(京都大学)によるご講演が行われました。
最後に藤井保彦(CROSS 東海事業センター長)から本ワークショップの主眼は「中性子の利用」であるが、それ以外の量子ビームも含めた大型施設を有効に利用していただきたいとの挨拶がおこなわれ閉会となりました。
そのあとの懇親会ではワークショップ中にできなかった詳細な内容について熱く議論が交わされました。

講演者と講演タイトル

講演タイトル 講演者
J-PARC/MLFの中性子実験装置及びBL17写楽の紹介 山崎大 (J-PARC/JAEA)
超低速ミュオンを用いた薄膜研究 : ナノメートルスケールの深さ分解した磁性・超伝導測定 小嶋健児 (J-PARC/KEK)
中性子反射率計SOFIAを用いたソフト界面測定 山田悟史 (J-PARC/KEK)
Co超薄膜の強磁性/常磁性スイッチング 千葉大地 (京都大学)
強磁性/反強磁性積層膜の交換磁気異方性とスピン構造 角田匡清 (東北大学)
強磁性Niと反強磁性FeMnの界面における磁気モーメントと磁気異方性 酒巻真粧子 (KEK)
薄膜評価のためのGISAS法の利用 – X線の現状と中性子への期待 奥田浩司 (京都大学)
Phase-Change Materials and Topological Insulator Properties:
New Possibilities for Spin Applications?
P. Fons (産業総合研究機構)
中性子反射率による高分子薄膜のガラス転移 井上倫太郎 (京都大学)
(講演順、敬称略)

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