J-PARCとCROSS
日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が、茨城県東海村に共同で建設し運営している一大複合研究施設である大強度陽子加速器施設 J-PARC (Japan Proton Accelerator Research Complex)に、2009年7月に「共用法」が適用され、中性子を発生するための加速器(リニアックと3GeVシンクロトロン)と中性子源、ならびにその中性子を利用して実験するビームラインBLの一部(略称「共用BL」)が「特定中性子線施設」に指定されました(図1)。
この特定中性子線施設の設置者であるJAEAが行う業務の内、共用BLの利用者選定と利用者支援業務、ならびに第三者が設置しようとするBL(略称「専用BL」)の選定に関わる業務を、設置者と独立した機関である登録機関に行わせることができるとされています。
2011年3月22日付けで文部科学大臣より、CROSSがその登録機関に選定され、同年4月1日より当CROSS中性子科学センターが、これらの業務(利用促進業務)を行うことになりました(図2)。
仕組みが多少複雑に感じられますが、この法律は「世界最先端の比類のない性能を有し、学術的基礎・応用研究から産業利用に及ぶ幅広い研究者等の利用によりその価値が最大限に発揮される大型研究施設の共用の促進により、我が国の科学技術の振興に寄与する」ことを目的とした画期的な法律であり、他には特定放射光施設(SPring-8とSACLA/X-FEL、兵庫県西播磨)、特定高速電子計算機施設(スーパーコンピュータ「京」、神戸市)に適用されています。