CROSS研究生滞在報告 東海大学 原 竜弥氏
中性子・X線反射率法によるアモルファスGeS2への銀のフォトドーピングの研究
研究開発部 坂口 佳史
原竜弥さんは、今年4月に東海大学渋谷猛久教授の研究室に配属された東海大学工学部光・画像工学科の4年生です。昨年度、修士2年生でCROSS研究生として3度CROSSに滞在された能登勇真さんの後を継ぎ、中性子・X線反射率法によるアモルファスGeS2への銀のフォトドーピングの研究を行っています。その原さんが、2023年7月24~28日にCROSS研究生としてCROSSに滞在し、中性子・X線反射率の基礎とX線反射率解析について学ばれました。
原さんを含む渋谷研のグループは、当初、4月または6月にBL17(写楽)での実験に参加する予定でした。しかしながら、相次ぐJ-PARCでの火災事故のため実験がキャンセルとなり、J-PARC MLFに来るのは今回が初めてとなりました。初日は、BL17をはじめ、MLFの様々な中性子実験装置を見ていただきました。その後、中性子・X線反射率の基礎をマンツーマンの講義で学んでいただきました。
2~4日目は、東海大学で測定されたX線反射率データの解析を行いました。東海大学では、光照射とX線反射率測定を繰り返す測定システムを用い、銀/アモルファスGeS2二層膜への光照射時間に伴うX線反射率変化が調べられました。試料は各層の厚みや熱処理条件の違うものが複数準備され、それらを測定されましたが、今回は、それら試料の光照射前後のX線反射率データの解析と、2つの試料のX線反射率データの光照射時間変化について調べました。研究室に配属されてから4ヵ月足らずと、わからないことが多かったことと思いますが、膨大な量の光照射時間変化データについて、一つ一つ理解し、納得しながら、よく頑張って解析されたと思います。
最終日は、午後の報告会のため発表用ファイルの作成を行いました。これまで、大学でのパワーポイントを用いた発表を行ったことはないと伺いましたが、報告会では十分に準備され上手に発表されていました。
2023B期には中性子反射率実験が予定されています。今回の研修で得た知識と経験を今後の中性子実験にも活かしていかれることを期待しています。
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