【CROSS Reports】Vol. 2, Article 4「中性子小角散乱用1 T電磁石の実験システム構築とユーティリティ開発」
CROSS職員の技術報告などを掲載するCROSS Reportsで、Volume 2, Article 4「中性子小角散乱用1 T電磁石の実験システム構築とユーティリティ開発」を2024年12月20日に発行しました。
概要
大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)内のビームラインである中性子小角・広角散乱装置(BL15 大観)と偏極中性子反射率計(BL17 写楽)では、従来1 T電磁石を共用していた。しかし、各々のビームラインで1 T電磁石を利用するユーザーが増えてきたことから、個別に1 T電磁石を準備する必要性が生じた。また、各々のビームラインで電磁石設置方向(縦置き、横置き)が異なることから、利用時のクレーン作業の面でも問題を抱えていた。このことから、BL15専用の1 T電磁石を導入し、専用バイポーラ電源及び、インターロックシステムから成る実験システムを構築した。1 T電磁石に専用架台、4 K冷凍機取付け治具、バックグラウンドノイズ除去板を取り付け、BL15での実験に適した形に整備後、ユーザーへの供用を開始した。更に、4 K冷凍機用試料交換器、自動試料交換機などのユーティリティを開発することによって、かねてからのユーザーからの要望に応えるとともに実験の効率性を向上させた。今後は、レーザー加熱炉との組み合わせも含め、更に利便性の高い装置への改善を図る。
記事情報
記事タイトル | 中性子小角散乱用1 T電磁石の実験システム構築とユーティリティ開発 |
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著者 | 森川利明、大内啓一、大石一城、河村幸彦、廣井孝介 |
DOI | https://doi.org/10.57378/crossrep.2024004 |