【開催報告】DENIM XIII ( 13th Design and Engineering of Neutron Instruments Meeting )
研究開発部 森川 利明
2024年9月25日~27日、東海村のJAEA Tokai Mirai BaseにおいてDENIM XIIIが開催されました。また、開催期間前日の9月24日には同会場でISNIEサマースクールも開催されました。これらは、ISNIE(International Society of Neutron Instrument Engineers)の下、各国の中性子施設が開催する会議です。ISNIEは世界中の中性子施設に携わる人たちの技術と知識の共有を目的として設立されたコミュニティです。
DENIM XIIIと併催されたISNIEサマースクールは、中性子施設に関して比較的経験の浅い技術者を対象にしたプログラムです。今回は「中性子装置の設計と操作及び中性子源との相互作用」というテーマで、1日をかけて専門家による講義が行われました。
DENIM(Design and Engineering of Neutron Instruments Meeting)とは、その名前が示す通り、各国の中性子施設で設備や装置に携わる技術者たちが一同に集まり、専門知識を共有することを目的として開催される会議です。2012年から毎年、各中性子施設がホストとなって開催されており、今年で13回目となりました。これまでは、欧米圏の施設が開催会場となってきましたが、日本を含むアジア圏での開催は今回が初めてとなりました。
3日間の開催期間で合計115名の参加者があり、38件の口頭発表と32件のポスター発表が行われました。チョッパーや検出器などビームラインに設置される装置の開発状況から、最新の施設情報と将来計画などに渡って多くの発表があり、濃密なプログラムとなりましたが、活発な意見交換が行われました。また、初日最後のプログラムでは、毎回の恒例行事であるDENIMチャレンジが行われました。DENIMチャレンジとは、参加者が複数のチームに分かれ、出題される課題に対して、各人の知見、経験を活かしながら順位を競い合うレクレーションです。今年の課題は、「準備されている素材だけを使って、出来る限り長時間回るコマを作る。」というものでした。各チームともに技術者らしい発想でコマを製作し、回転時間を競い合いながらも、互いの親睦を深め合いました。
オプショナルツアーとして、JRR-3とJ-PARC MLF、理化学研究所のRANS(理研小型中性子源システム)の見学もあり、参加者から好評の内にDENIM XIIIは閉会しました。
実行委員:
奥隆之、小峰良太、神原理、井上慶一(JAEA J-PARCセンター)
菖蒲敬久、原山勲(JAEA 物質科学センター)
竹谷薫(KEK 物質構造科学研究所)
浅見俊夫、杉浦良介、川名大地、世津爵志(東京大学 物性研究所)
高田秀佐、大河原学(東北大学 金属材料研究所)
小林知洋、水田真紀(理化学研究所)
有馬寛、石角元志、伊藤崇芳、新妻秀之、森川利明(CROSS)