【開催報告】11th International Workshop on Sample Environment at Scattering Facilities

2022.10.03

【開催報告】11th International Workshop on Sample Environment at Scattering Facilities (ISSE Workshop 2022)

本国際ワークショップは、世界の中性子・放射光施設において試料環境機器の開発、整備にかかわる研究者や技術者が集い、試料環境について議論することを目的として、2022年8月28日(日)~9月1日(木)に開催されました。

試料環境の充実は中性子・放射光の利用促進を図る鍵の一つであり、本ワークショップを通じた中性子・放射光利用の高度化と国際協力の推進は非常に重要です。

このワークショップは、1999年にドイツ、ベルリンにて第1回が開催され、その後、ほぼ2年に一度開催されており、今回で11回目になります。2018年の秋、J-PARCセンターがホストとなり2020年に日本で開催することが決まりました。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、2回の延期を余儀なくされ、今回、漸く対面での現地開催を栃木県那須町にて実現するに至りました。本ワークショップのアジア開催は初めてのことです。参加者は87名(現地参加できなかった海外施設の5名のオンライン講演者を含む)、そのうち海外からの現地参加者は30名でした。

発表は、各施設の現状を報告する講演が16件(5件のオンライン講演を含む)、個別の試料環境に関する講演が17件、ポスター発表が35件ありました。

2018年の開催から4年越しとなったワークショップでしたが、参加者はひとたび顔を合わせると互いに打ち解けて、試料環境技術に関する活発な議論を行いました。国内参加者には、本ワークショップに初めて参加する方も多くいましたが、海外施設や国内他施設における試料環境開発の現状を知る良い機会となったようです。コロナ禍の情勢を受けて、機器の遠隔操作、自動化も議論されました。毎回恒例の施設見学は、コロナ禍のためヴァーチャルツアーとなり、動画や公開ビデオを用いた説明やオンラインによる現地からの説明が行われました。一部の限られた内容しか紹介できませんでしたが、動画で活動の状況を知ることができて良かったという声も聞かれました。

次回のワークショップは2024年にスウェーデンのルントで開催されます。

集合写真

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