情報交流で活性化 -第一回重水素材料研究会-

2018.07.26

情報交流で活性化 -第一回重水素材料研究会-

2018年7月10日(火)に第一回重水素材料研究会が名古屋工業大学で開催され26名の参加がありました。重水素材料に関心が高い研究者・技術者が一同に会した研究会を開催したことで、種々の研究テーマに対する意見交換がなされ、研究会の趣旨であった多岐にわたる情報交流が実現できました。

重水素ラベル化法は中性子散乱研究において散乱コントラストをコントロールするための重要な技術の一つであり、その技術を有効に活用することは中性子研究の成果最大化に繋がります。本研究会は、重水素ラベル化にかかわる研究討論を通して、その知識・技術・最先端の情報を国内の研究者・技術者と共有することで、新規中性子ユーザーの取り込みや先導的な研究成果の創出を目指すことを目的として開催しました。

研究会では基調講演1件、施設からの報告1件を含む合計6件の講演が行われました。大学から10名、企業から10名、研究所から6名とバランスよく発表者・参加者が集まり、学術的な話題から産業界の話題まで、幅広いテーマでの討論が展開されました。自由討論では重水素材料研究発展に対する具体的な提案・討論が展開され、今後の活動をより活性化するための方針がいくつか示されました。

今回は第1回目の研究会ということもあり、小規模な研究会ではありましたが、特にJ-PARC MLFの研究者・技術者が重水素材料研究の現状を知る良い機会となりました。今後も重水素材料研究にかかわる人材・情報交流を続けていくとともに、今回の研究会で提案・討論された案件の実現に向けて活動を活性化していくことが期待されます。

重水素材料の最先端の研究について討論するために、海外から数名の講演者をお招きして開催する国際ワークショップ『J-PARC Workshop 2018』を2019年1月に予定しています。詳細につきましては後日ホームページ等でお知らせしますので、ご興味がございましたら奮ってご参加ください。また、研究会情報を含めた重水素材料研究にかかわる情報を集約・公開する情報サイトを近い将来に立ち上げる予定です。そちらに関しましても、後日ホームページ等でお知らせします。

この研究会は、J-PARC MLF利用者懇談会、重水素材料研究分科会の主催のもと、名古屋工業大学、総合科学研究機構(CROSS)中性子科学センター、J-PARCセンターが共催し、日本プロセス化学会、量子科学技術研究開発機構(QST)の協賛を受けて開催されました。