第7回AONSA Neutron School / 第3回MLF Schoolの開催報告を掲載しました。

2015.12.18

第7回AONSA Neutron School / 第3回MLF Schoolを開催

参加者とスタッフの集合写真(J-PARC研究棟)

12月1日~5日にかけて、第7回AONSA Neutron School / 第3回MLF Schoolが、J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)において開催されました。AONSA Neutron Schoolは、アジア・オセアニア圏での中性子・ミュオン科学の啓発と大学院生や若手研究者の教育、親交を目的として、アジア・オセアニア中性子散乱協会(AONSA:Asia-Oceania Neutron Scattering Association)加盟国の間で毎年開催されています。今年は日本がホスト国となり、J-PARC/MLFで毎年開催される第3回MLF Schoolとの共催で開催されました。日本をはじめオーストラリア、インド、韓国、台湾、インドネシアなど10カ国から合計41名の若手研究者、学生が参加しました。

ニュートリノの施設の見学

中央制御棟で加速器説明を受けている様子

開催初日は、J-PARCで実習を行うための安全教育のほか、Welcome receptionが行われました。2日目は、中性子・ミュオン科学から中性子・ミュオン実験手法についての講義やJ-PARCの加速器、ハドロンおよびニュートリノ実験施設の見学が行われました。

3日目は、午前中に講義を受講し、午後からは数名のグループに分かれて実習が行われました。今回は中性子標的容器の不具合による利用運転休止のため、予定していた中性子・ミュオンビームを使った実習は行えませんでしたが、実際の実験で行われる試料のセットアップや実験で得られるデータの解析などを実習しました。例えばBL18(千手)では、単結晶のタウリン(C2H7NO3S)の中性子回折データからどうやって結晶構造(構成している原子の周期的な配置)が決定されるかを学びました。

試料ピンをゴニオヘッドに固定している様子(BL18)

実験データを解析している様子(BL15)

最終日の5日目は、実習で学んだことをグループ毎に発表するStudent Presentationsが行われました。どの発表も試料の取り付け方や測定手法、データ解析など実習したことを大変分かり易くまとめていました。質疑応答では、指導を行ったスタッフも議論に加わり、生徒らはさらに理解を深めていました。
最後にスクールの修了証が金谷MLFディビジョン長より一人ずつに手渡され、Wen-Hsien Li教授(AONSA会長)の挨拶で閉校しました。

修了証を受け取り、金谷MLFディビジョン長と握手

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